令和7年度英語教科書『Here We Go!』の採択とその評価

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宇都宮市英語専門進学塾EX 塾長のブログ

令和7年度英語教科書『Here We Go!』についての評価とその課題

令和7年度以降、宇都宮市を含む栃木県の多くの中学校で、光村図書の『Here We Go!』が英語教科書として採択されることが決まりました。

これまでに採用されていた他の教科書と比べ、『Here We Go!』には生徒の興味を引きやすい工夫が数多く盛り込まれています。

私の塾でも、この教科書を使用する生徒たちの反応を見てきました。

以下、令和6年まで使用されていたHere We Goのメリットデメリットをお話しします。

『Here We Go!』の良い点

まず注目したいのは、生徒の興味を引くテーマ設定です。

例えば、スポーツや音楽、環境問題といった現代の中学生にとって身近で関心のある話題が多く取り上げられていることが、学習意欲の向上につながっているように見受けられます。

これらのトピックは教科書を使った授業においても、生徒たちが積極的に参加しやすい内容で、自然とディスカッションが活発になる傾向があります。

また、ビジュアル面での工夫も特筆すべきです。イラストや写真が豊富に使用され、特に会話のシーンでは、視覚的に分かりやすい形で状況が描かれています。この点は、視覚情報に頼りがちな現代の中学生にとって、内容を理解しやすくし、飽きさせない設計となっています。

さらに、リーディング、ライティング、スピーキング、リスニングといった英語の4技能をバランス良く強化できる点も評価できます。特に、スピーキングやリスニングに重点が置かれており、実際の英会話に役立つスキルが養われることを目的としています。

ペアワークやグループディスカッションなど、実際に英語を使ってコミュニケーションをとる活動が多い点も、これからのグローバル社会での実践力を高める教育の一環と言えるでしょう。

『Here We Go!』の課題

しかしながら、良い面だけでなく、いくつかの課題も浮かび上がっています。

まず、語彙や文法の説明が少ないことが挙げられます。授業中にしっかりと補足説明をしなければ、生徒の中には自習で理解しにくい部分が出てきます。

特に、中学生の段階ではまだ文法の基礎が完全に固まっていないため、教師が手厚くサポートすることが求められます。

にもかかわらず、最近の中学校の授業では文法的な説明が極めて手薄です。当ブログでもその点は過去に何度も指摘しています。

Here We Goの採用によって、この傾向が高まり、ますます盤石な文法力をもとに、英文を理解する力が失われていくのではないかと懸念しています。

英語の指導力がある塾に通い、文法力がある生徒とそうでない生徒の格差がますます開いてしまうおそれもあります。

次に、内容の難易度に幅がある点も問題です。

ある単元では簡単に感じられる一方で、別の単元では難しすぎると感じる生徒がいます。

クラス全体で一律に進める授業スタイルだと、一部の生徒が取り残されることも考えられます。

個々の学力差を考慮しつつ、教科書の内容を調整していく工夫が教師には必要です。

さらに、アクティビティが豊富な点が一部の生徒にとっては負担となる場合もあります。

内容が充実しているがゆえに、消化不良に陥りやすく、ペース配分を適切に行わなければ、十分な理解に至らない可能性があります。特に、日々の授業や宿題に追われる生徒にとっては、どこまで深く取り組むべきか迷うこともあるでしょう。

今後のサポートの重要性

『Here We Go!』は、最近の文科省が求める「主体的・対話的な深い学びのニーズに即した教材です。

 

ただ、現行の英語カリキュラム、英語教師の指導料を考えると、教材が持っているポテンシャルを引き出すことは困難だと思います。

 

今後は、今まで以上に教科書に頼りすぎず、個々の生徒の理解度に合わせた柔軟な指導が不可欠です。

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