毎日の積み重ね

成果を生む本当の理由とその落とし穴

· 塾長の指導観・雑感

宇都宮市英語専門進学塾EX 塾長のブログ

何事においても、成果を得るためには一時的な集中ではなく、少しずつでも毎日取り組む継続が大切だと言われます。

しかし、ただ闇雲に続けるだけでは不十分です。

本当に自分の力として定着させるには、日々の取り組みの中で「リズム」を意識することが鍵になります。

このリズムとは、単に機械的な繰り返しではなく、自分の心と行動が調和した「一定の流れ」のことです。

たとえば、お経を唱える行為を想像してみてください。

内容の意味がわからなくても、唱え続けるうちに不思議と心が落ち着いたり、新たな気づきを得たりすることがあります。これは音やリズムが心に影響を与えている証拠です。

同じように、勉強やスポーツでも、自分に合ったリズムが生まれれば、それが習慣化し、自然と力が身についていきます。

ただし、この「継続」の考え方にも注意が必要です。漫然と続けるだけでは、惰性に陥りがちです。

たとえば、定期的にメンテナンスを怠った自転車に乗り続けている状態を想像してください。

一見、普通に走れているように見えても、タイヤの空気が抜けていたり、チェーンに油が切れていたりすると、走行効率が悪化し、最終的には壊れてしまいます。

勉強でも同じことが言えます。

「続けること」が目的になってしまい、改善や成果に目を向けなくなると、ただの時間の浪費になりかねません。

惰性を防ぐための具体例

ある生徒が毎日同じ問題集を解き続けているとします。

一見、努力しているように見えますが、「なぜこの問題を解くのか」「どうすればもっと効率よく理解できるのか」といった視点を持たずにただ繰り返すだけでは、学力向上にはつながりません。

これを防ぐには、例えば次のような工夫が必要です:

➀目標の明確化
「今日はこの問題の解法を完全に理解する」「この単元のミスをゼロにする」など、その日ごとに具体的な目標を設定する。

②振り返りを取り入れる
毎日の終わりに、自分の取り組みを振り返り、どこを改善すべきかを考える時間を作る。

③冬期講習などの特別講習を受講し刺激を与える

ときには特別講習のように、いつもと異なる方法や環境で学ぶことで、惰性になりかけた意識に新たな刺激を与えることができます。

例えば、苦手な単元を徹底的に克服する日を作ったり、新しい教材を使ってみたりするのも効果的です。

継続と変化のバランス

 

日々の積み重ねは重要ですが、そこに変化を加え、進化を意識することも同じくらい重要です。

 

同じ道を何度も歩くときでも、「今日はどの道を通ろうか」「昨日より速く歩けるだろうか」と自分に問いかけることで、日々の努力に新しい意味が生まれます。

 

たとえば、ある生徒が単語帳を覚えるために、毎日10分間を費やしていたとします。この方法が最初は効果的でも、飽きが生じることがあります。その場合、たとえば「今日覚えた単語を使って例文を作ってみる」「録音して発音を確認する」など、新しいアプローチを試すことで、継続の質を高めることができます。

 

保護者の皆様にお願いしたいのは、子どもが「継続すること」に囚われすぎず、「なぜ続けるのか」「どうすればもっと良くなるのか」を考えられるような環境を整えてあげることです。

 

ただ「頑張って」と言うのではなく、一緒に目標を設定したり、時には新しい教材を提案したりして、日々の取り組みを進化させる手助けをしていただきたいのです。

 

継続と変化。この二つを上手に組み合わせることで、努力が実を結び、子どもたちの成長がより確かなものになります。

 

それは勉強に限らず、どんな分野でも同じです。日々の努力が惰性に陥らないようにするには、保護者の皆様の視点が欠かせません。

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