"いつも通り"が裏切る理由

受験生の危険な思い込みと、その処方箋

· 英語勉強法,塾長の指導観・雑感

宇都宮市英語専門進学塾EX 塾長のブログ

「いつも通りやればいい」


模試や定期テスト前、私たちはよくこの言葉を口にします。しかし、この「いつも通り」という言葉には、ある危険な思い込みが潜んでいます。
 

認知科学の分野で「熟達の錯覚」という興味深い現象があります。これは、自分の技能レベルを実際より高く見積もってしまう認知バイアスのことです。

 

実は、多くの生徒が陥っている「普段はできているのに…」という状況は、まさにこの錯覚と密接に関連しているのです。
 

例えば、英単語の学習を例に考えてみましょう。スマートフォンで単語帳アプリを眺めながら「なんとなく分かる」という状態と、実際にその単語を文脈の中で正確に使える状態では、脳の活性化パターンが全く異なることが研究で分かっています。
 

にもかかわらず、私たちは往々にして「眺めた=学習した」という錯覚に陥ります。この「なんとなく」の積み重ねが、テスト本番での予期せぬ失敗を引き起こすのです。
 

では、この罠から抜け出すには何が必要なのでしょうか。
 

ヒントは、プロのアスリートの練習方法にあります。彼らは「ただ練習する」のではなく、常に明確な評価基準を設けています。

 

投球ならコントロールの精度、シュートなら成功率という具体的な数値です。
 

学習においても同様のアプローチが有効です。

 

例えば、英語の長文読解では、「なんとなく理解できた」という曖昧な基準ではなく、以下のような具体的な確認ポイントを設定します:
・本文の要約を、言えるか。
・分からない単語が、何語あったか。わからなくても前後の文脈から推測できたか。
・文章全体の構造(意見と根拠、比較、原因と結果など)が理解できているか。

 

このように具体的な基準を設けることで、「いつも通り」が持つ曖昧さを排除できます。

 

ある生徒は、この基準をもとに読解することで、知っている単語の意味を機械的に組み合わせて理解した気になっていただけということに気づくことができました。

 

文章の構造を意識して読むようになってから、今まで見落としていた重要な情報に気づけるようになり、読解の正確さが大きく向上したのです。

つまり、本当に必要なのは「いつも通り」ではなく、「いつも以上に意識的な」取り組みなのです。

 

日々の学習を、曖昧な習慣から、計測可能な技能へと昇華させること。それこそが、安定した結果をもたらす近道となります。
 

試験で求められるのは、単なる知識の再生ではありません。正確性、速度、そして何より安定性です。その安定性は、日々の学習の質を可視化し、意識的に改善していくことでしか得られないのです。

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