宇都宮市英語専門進学塾EX 塾長のブログ
先日、2024年度第3回英検の合否が発表されました。
ここ数年で大学入試は大きく変わりました。
英語に関して言えば、MARCHや早慶などの難関私大はもちろん、地方国公立大学でさえも、以前のような単語の意味を問うだけの問題では済まされなくなっています。
特に長文問題では、英文の量が増え、論理展開の複雑さも増しており、「ただの読解力」では通用しなくなってきているのです。
こうした入試の現実に直面するなかで、私が毎年痛感するのは、「英検準1級が一つの基準になってきた」という事実です。
もちろん、準1級を取ればすぐに合格できるという単純な話ではありません。
ただ、準1級が「難しい」と感じるレベルであるならば、正直、難関大学の英語にはまだ立ち向かう準備が整っていないと思った方がよいでしょう。
英検の問題は、難関大学の個別試験と比べると、いわゆる「ひねり」が少なく、素直な問い方をしてきます。
変化球のような問題もなければ、文法的に奇をてらった構文も出題されません。
だからこそ、「実力」が露骨に出るのが英検準1級です。
つまり、英検で実力不足が明確に出るようであれば、それは入試本番ではさらに厳しい結果につながる可能性があるのです。
実際、大学のアドミッション・ポリシーを見ても、英検準1級を取得していれば出願条件を満たす、あるいは英語試験が免除されるといった大学が増えてきました。
たとえば、上智大学やICUではその傾向が顕著ですし、
地方の公立大学でも「CEFR B2レベル(=準1級相当)」が明記されているケースが目立ちます。
つまり、英検準1級は「あると便利」ではなく、「なければ土俵に上がれない」存在になりつつあるのです。
このことからも、新高1の時点で英検2級を取得しておくことが、非常に大きな意味を持つのは明らかです。
2級を高1で取れていれば、高2〜高3の間に準1級に挑戦する余裕が生まれます。
そしてその間に、単なる検定対策にとどまらず、「英文の構造を見抜く力」「背景知識をもとに文脈を読む力」「自分の考えを論理的に述べる力」──これら本質的な力を養うことができるのです。
保護者の皆様にお伝えしたいのは、「準1級を取らせること」それ自体が目的ではないということです。
むしろ、準1級を通じて、自分の力で考え、読み、話せる10代を育てていくことが本質です。
入試が変わった今、私たち大人の「過去の常識」ではもう子どもたちを守れません。
1人でも多くの子が、自信をもって受験期を迎えられるよう、準1級を一つの「通過点」として位置づけること。
それが今、英語学習を取り巻く現実の中で、最も合理的な戦略だと私は考えています。